10月29日(日)10月に観た映画(ラジオの時間・殿、利息でござる、ジュラシックワールド、パッセンジャー)

 

・ラジオの時間

・殿、利息でござる

ジュラシック・ワールド

パッセンジャー

 

 ラジオの時間(97)三谷幸喜作品

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 三谷幸喜作品は普段は観ないのですが、今現在私生活でソウヤ(飼い猫)が闘病生活に入ってしまい、その疲労というか心痛からコメディを観るしかない、という心境に至りました。

 この作品は、ラストがハッピーエンドで「あ、よかったな」と言える仕上がり、どちらかというとエンドロールよりも、作品のところどころに、見る側の心理的クライマックスがくるような作品でした。舞台演劇が原作で、一貫したストーリーがあるというより、その場その場のドタバタがあり、その回収に奔走するスタッフの悲喜こもごもを描いています。

 この作品が公開された当時は私は中学生でしたが、当時だったらわからなかった面白さがありました。なんと言っても、現場のリアルというか。

 イベント当日にトラブルが発生し、そのシューティングに現場のスタッフが能力を総動員してあたる、というような。見ていて、わかる、わかるよそれ! というシーンも、こういうこという奴いるんだよな、ほんと参るよ、っていうかそういうこと今、いうなよ、あのさ! っていうか頼むよほんと。みたいな人物も多く、やたらとあるあるが多すぎて、逆に疲れちゃう現場のリアル、それが「ラジオの時間」です。

 現場というのは、理想を追いかけたくとも様々な制約がそれを許さず、今ここで形にしなければならないという切迫感の連続です。その中でいかにベストを求めず(無理だから)ベターにするか。

 むしろ、いつもそういうトラブルシュータをしている予算のない現場にいるので、距離感がとれず、むしろ疲れちゃった感もなくはない。でも、それでも現場でくじけない人はいるもので、というか周囲があまりに怒っていたり絶望していたりすると、かならず冷静になる人間はいるというのも、腐りきっていない組織の魅力でもあり、なんだかんだ、この映画を見て「がんばろ」とゆるく思えるのは三谷作品の魅力かな、と。

 ちなみに私が一番好きな三谷作品は「振り返れば奴がいる」です。このラジオの時間は、この「振り奴」のときに、自分が知らない間に脚本が書き換えらえていたときの体験がベースになっているそうです。

 

 殿、利息でござる(16)

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 いや、悲痛の極致のためコメディ二本目です。

 ところが、どうして感動作でした。

 この映画の見どころは何と言っても、嫌な官僚役の松田龍平君でしょう。龍平君と私は同じ年なのですが、ほんとうに凡庸な役はできない人というか、凡庸な役をやってもトリッキーになってしまうというか。

 今回は平気で下々の人間の努力を「却下」と言う、役人を演じていますが、超絶腹が立つけど、こういう役人っているよな、と江戸の頃から日本人てやつはよお、と言いたくなるリアルな役どころです。しかも、なんか左右不対象の彼の顔立ちが無表情の怜悧な役人にぴったりというか。

 江戸時代中期。

 仙台藩の宿場町の一つが重い税金をなんとか解消しようと、義侠心を起こして血のにじむような努力をするというストーリーをコメディタッチで描いています。

 コメディであろうとなかろうと、史実がベースになっており、この財政改革をしなければ、町が存続できないという状況はまさに今の日本の地方と重なっており、江戸時代の話には思えません。言ってみれば、江戸時代版町おこしのための資金を作ろうというお話です。

 江戸中期の頃は、本当に平和な世の中になってしまい、武士なんてものはいらなかったのですが、この階級を各藩食べさせるために、農民に重税を課したり、特産を作ったりと、日本全国様々な改革を実行していた時期です。

 この時代を掘り起こすと、なんというか日本人にもほんとうに素晴らしい人たちがいたのだな、と心が熱くなります。

 ただし、一般的に知られている江戸中期の財政改革は実は老中や家老など武士階級が多かったのも事実です。この作品のように農民階級から自分たちの財政基盤を作ろうという話は、初めて知りました。

 江戸中期と言えば商品経済も発達して、武士よりも町民が豊かになっていった時代ですから、そうした史実も実はたくさんあるのかもしれないです。

 映画では、当時の身分差別のある社会の中で底辺の農民たちが一歩一歩自分たちの力を固めようと知恵を絞る忍耐が描かれており、それは今の私たちの置かれている時代の閉塞感なんかよりもっと大きな壁に阻まれていたような気がします。そんなかつての日本人の英知は見ていて元気がでるものであります。

 

ジュラシック・ワールド(15)

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 よかったです。もうまんま、いつものパターンなんです。

 よせばいいのに、エンタメ大好きで神をも嘲笑する所業を恐竜にほどこし、生物なんてものは、常に人間の予測を超えたふるまいをするものだとわかっているのに、例によって今度は最強の遺伝子を持った白い恐竜なんてものをつくり、それが開園中に脱走するという。

 しかし、今回は20年前に私の心を射止めた中型頭脳プレイのハンターラプトルがなんと、人間とその白い恐竜を倒すために共同戦線を張るという、萌えが!! 

 いやあ、よかったです。

 なんというかバイオハザードで見た、人間と生物兵器共闘まんまでもありますが、面白かったのです。

 でも同時に、またこういう頭の悪いことを平気でするアメリカ人ほんと腹立つなあ、と思いましたよ。なんていうか、生物で遊ぶなよ、と。

 そういうわけで、ラプトルがなぎ倒されるシーンは見ていてつらくてつらくて、ほんと人間って愚か、と思い、またこういう映画を半分ウキウキしてみてしまう自分にも腹が!

 そろそろまじで続編はやめたほうがいい域に入ってきたのかなと思います。はい。

 

 パッセンジャー(16)

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 うーん、なんていうか正直、映像は素晴らしかったのです。まさに星空間飛行してるって感じで。あと、船内システムがエラーを起こして、プールの水が浮き上がっておぼれそうになる津波の感じとか、まあ無数の星々が煌めている宇宙なんかが最高によかったです。

 でも、なんていうかいらっとする映画でした

 端的に言うと、サバイバルしてるって感じがないってことにつきると思います。

 90年後にしか到着しない宇宙船で目覚めてしまい、一生を船で過ごすしかないという状況。これが主人公の置かれた危機感なのですが、船内はいわば豪華客船であり、どちらかというと膨大な無為な時間と引き換えに恋人の女性と邪魔するものもなく、豪華なアクティビティを満喫し続けることができるという、楽園という名の牢獄(言っていて恥ずかしいぞ)に繋がれた主人公の話です

 たぶん、見るタイミング悪かったんでしょうね。

 全然、不幸でもないでしょうよ。

 豪華客船でフレンチフルコースに銀河のさざ波。

 一生見てろ!みたいなね。

 ひどいね、この感想。

 でも、なんだかシングルの孤独をがしがし突き刺すようなそんな映画だった気がするんですねえ。笑。

 

 

 というわけで、10月に観た映画、まだまだたくさんありますが今月はこれまで。

 来月もこういう軽い感じで続くと思いますが、もしかするとテーマごとに映画を話して行こうかなと思っています。映画レビューもあと20本くらいをめどに、ひと段落かなと。そろそろ、映画との付き合い方が変わっていくのかなと思っています。

 では、今月も沢山のご来場、ありがとうございましたw

 

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(おまけ、『殿、利息でござる』より松田龍平くん。すごい顔だ。。笑)