10月1日(日)先月の映画のこと①

・ELLE~エル~

ジェーン・ドウの解剖

WXIII 機動警察パトレイバー 

プラネタリウム

 

 

★ELLE~エル~

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 今年度あちらこちらで話題をかっさらったスリラー映画。イザベル・ユペール扮するゲーム会社CEOは自宅レイプされるが、警察への不信感とトラウマから、自分で犯人を捜しをすることに。監督は『氷の微笑』でシャロン・ストーンの悪魔的妖艶さを世界に知らしめたポール・ヴァーホーヘン。

 

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(レイプシーンが怖くて、ずっと見られませんでしたが、ミレニアムよりずっと大丈夫でした。。)

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(とても品があるマダム経営者でございます。。25年後、こうなりたい。見た目はね)

 

 この映画は、鑑賞後にうすら寒い風が吹き抜けていくような気持ちにさせられましたよ。

 なんというか、現実というか、人生を経て苦労が重なるとこうなってしまうというか、親友の夫を寝とったり、強姦してきた男を逆に誘惑したり、制裁のために、年下の男の性器を露出させたりですね。

 被害者ではじまった女性主人公が、倫理的にNOなことを次々になんのためらいもなく、手を出して行くというか。

 でも、そんなELLE(彼女)を見ても、

 あまり不快感を持たない、自分に不快感!!笑

 

 そもそも人のつくった道徳というか倫理なんて、それほど大事なのかしらね。

 という命題をイチ押ししてくる彼女の心理も多いに共感とはいかないまでも、

 「正直わからなくはない」と思ってしまうのです。

 不倫とか浮気とかフランス人特有のさばけた感じもややあるのですが、お互いが納得していれば、倫理も同義もフラットにしちゃうおうよ、というフリーダムな感じが、私も年を経て理解できちゃうというか。

 結局、他人が決めた―道義上のルールなんてフィクションでしょうっていう。

 さばけずぎた人生観というか。。

 もちろん、不倫ってだめだと思うのですが、べつにそこまでだめっていうこともないかもね。

 と、思ってしまう自分が「かわいくない」というか。

 

 

 年だな。。。

 

 

 

 しかし、この映画で騙られている彼女の行動は、人生の一つの真理だと思います。

 何からも自由でいられるならば、浮気だって不倫だって自由につまみ食いできて、つまみ食いできるからこそ、それほど大事だとも思えない。

 映画で主人公は60代近い年齢を演じていますが、独身でお金も時間も自由になる35歳の私でさえ、彼女の心理がわかる以上、この映画のうすら寒い状況を実感できてしまう女性は日本にはすごく多いのではないでしょうか。

 そして、年を重ねて、酸いも甘いも経験したあとに残っているのは、友情というのも

 なんだか、想像できます。

 その女の友情、男を共有した女の友情が唯一の希望っていうか。

 突き抜けたその価値観って、痛いけど、どこか気持ちいい。

 

 

 

ジェーン・ドウの解剖

 

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(オープン、セサミww)

 

 きたー、ホラー!

 ベテラン検視官のトミーは田舎町で、息子のオースティンと遺体安置所と火葬場を経営している。その日も身元不明の女性の遺体が運ばれてきたが、彼女は大量殺人現場の家族との接点が見つからなかった。

 いったい、彼女は誰なんだ?

 死亡原因を特定するために、トミーは遺体の解剖を始めるが、解剖をするうちに彼女のありえない死因があきらかになるにつれ、遺体安置所で不可解な現象がおこりはじめる。

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(死体が起き上がるとか、最低な演出はいっさいないですww)

(というか、お前が断りもなしにこういうシーンを貼るのが最低な演出だ)

 

 この映画はB級ホラーホラーであり、(もう言っちゃえ)パーティは全滅します。

 

 ここら辺、ちょっとやりすぎな感じなのですが、全員容赦なく抹殺することで、B級感が増し、ホラーファン以外の観客を除外することになっています。

 なので、この映画は正真正銘のホラー好きだけが楽しめます。

 つまり、私ですw

 映画全編を覆う、雰囲気が本当にいいです。

 洋モノホラーでは珍しく、雰囲気を重視していて、ホラーで最も大事な、「出そうで出ない」感じがぞわぞわ鳥肌がたって、ウキウキします。

 会場は古い家屋。

 死体安置所と言っても住宅兼のような日常感があり、廊下や室内もレトロな雰囲気でちょっとバイオ風味も満喫できます。全編を通し、上質で汚いこといっさいない美しいホラーです。

 今週からDVD発売ということでファンにはおすすめです。

 

 

★WXⅢ パトレイバー

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(見た目が悪いタチコマにしかみえない。。。)

 

 

 なぜ、いまさら。パト3。

 いや、つい先日、パト2を見直していて、その感想メモが

「忍さんって、後藤さんは選ばないよなあ。

 後藤さん、玉砕だよな。

 でも、忍さんって大人な男より、熱くて理想を追いかける永遠の少年的な親父のほうが好きなんだろうな。

 私もすきだなあ。

 後藤さんって、人のこと見透かすところあるからなあ。

 私もタイプじゃないよなあ」

 

というどうでもいいことが書いてあり、そういえばパト3観てないな、ということで。

(なげえよ)

 

 

 東京湾で、海上作業をするレイバーが故障し、作業員が死亡する事故が相次ぐ。発見された死体は無残にひきちぎられ、何者かに食い荒らされたように見えた。

 城南署のベテラン刑事久住(くすみ)と部下の秦(はた)は、地道な捜査を続けるうち、最近東京湾で巨大な魚が釣れるようになり、釣り人が押し寄せていることを知る。その場所は、レイバー事故現場と重なっており、巨大魚の出現は米軍の貨物機が墜落したころから始まっていた。

 貨物機の搬入先は、ダミー会社で、所有者が東都生物研究者だった。

 一方で、続出する事故に巻き込まれた二人の刑事はその目で東京湾に住む狂暴なモンスターを目撃する。

 しかし彼らの訴えにも関わらず、警察上層部は、ネタが足りないと言って動かず、さらには東都に関わるなと上の圧力がかかったようだ。

 その頃、秦は東都の主任研究員の岬冴子と出会う。

 物静かで影をたたえる冴子に惹かれていく秦。しかし、冴子は愛娘を小児がんで失い、東都と米軍が開発する生物兵器に自らの人生を刻むように二つの加化学反応を人為的に加えていた。それは、東京湾の底で目を見張るほどの生命力と分裂を繰り返す生物に進化していった。

 

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(最近、リケジョばかりだな。しかし、犯人役は文系より理系のようがタガの外れ方がすがすがしい)

 

 これは……面白かったと、もろ手をあげて言えない作品でした(笑)

 

 ひとことでいうと、パトレイバーっぽくない。

 ぽくない、というのは1,2と押井さんが関わっていたので、押井節というか日本に戦争状況をつくるみたいなコンセプトからかなり離れているからなのですが、つまらないかというと、そうではなくて、じゃあ、なんなのかというと、つまり、2時間刑事ドラマ、火サス的というか……

 

 とにかく、今回は色々演出もダサいんです。

 セリフとか、小道具とか、あざとすぎてださい。

 手垢にまみれた演出を繰り返すので、恥ずかしいんですよ。

 でも、わかりやすいです。誤解のない演出なんです。。

 そして、ストーリーは悪くない。

 地味だけど、悪くない。

 刑事ドラマって、犯人にも一理あり、みたいな感じがあるじゃないですか。

 つまり、アリバイは崩れ、すべての証拠がお前を指している!という犯人暴きの段階になったころに情報公開される、あの犯人の切なく完璧に同情に値する身の上話

 

 だいたいにおいて、刑事ドラマでよほどの人気シリーズにならないかぎり、サイコパスみたいな殺人大好きの犯人なんてものは出てこないので、たいがいは、状況がそうさせた『不幸な犯人像』がベターです。

 だから私は2時間刑事ドラマが好きなのですが(笑)、今回のパト3は地でそれを行く感じなのです。

 

 そう、火サスです!!!

 

 犯人は切ない過去を持ち、持つが故に、結果として生物兵器を作成してしまった。しかし、生物兵器はけして、目的ではなく、付録だった、みたいな。

 で、また切なさを上書きするようにロミジュリすれ違いロマンス(というか秦の完全な片思い)もついていて、もうベッタベタで、色々ださいんですけど、泣けるというか。

 そう、この作品は実はパトレイバーファンじゃなくて、うちの82歳になるおばあとみると、そこそこ楽しめたんじゃないかと思うんです。うちのおばあ、相棒とかはぐれ刑事とか、鉄道警備隊とか、沢口靖子とか、内藤剛志とかのファンですから。

 なので、いつものパトレイバーの首都東京に戦争状態をつくる、というようなド派手な話を期待すると肩透かしです。

 そして、やっぱりこの映画切ないのは、先日私がシンゴジラ』で回避したと思った、『怪獣虐待』シーンがばりばりあったことです。

 もう、完全に呪いか?と思いましたよ。

 今回の怪獣は、完全に『母親』が存在するので、その母親の存在から、生物兵器とはいえ、役割が『子ども』なのです。

 それがノアちゃんのレイバーとか、自衛隊から攻撃されるのを見るのは、つらかった。

 この感情、つまり、加害者への同情が、火サスなのですが、なんだか、とっても切なくて悲しい、物語を見てしまったのです。

 あなたに止めてほしかったのかも……

 冴子が秦に言うこのセリフ。

 私も誰かに言ってほしかった。

 

 怪獣虐待シーンあるけえ、見るをやめたほうがええよ。。

 

 

 

プラネタリウム

 

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(主人公姉妹にナタリー・ポートマンとリリー・ローズ=デップ)

 

 

 わからなかった……笑

 この映画は、わからなかった。。。。

 

 

 1930年代後半のパリ。

 大戦の長靴の音が迫る直前の華々しい絢爛の都に二人の姉妹が降り立った。バルロー姉妹。二人は死者の霊を呼び寄せる交霊術を売り物に、ショービジネスの世界で一旗あげようとしていた。ショーをプロデュースし、利発な姉ローラ、そして霊を交信する知恵遅れ気味の妹ケイト。

 二人はあるショーで、映画プロデューサーのコルベンの目にとまり、一躍スターの座を約束される。しかし、コルベンは霊の存在にのめり込み、霊の姿を特殊映像ではなく、本物を映しだそうと躍起になる。発言力のあったコルベンはこの映画の失敗と、アメリカ出身のバルロー姉妹に大金をはたいて擁護したことから、非国民扱いをされ、映画業界から追放されてしまう。ケイトも無理な撮影と実験から寿命をすり減らしてしまい、傷心のローラは、かつてのつてを頼り、女優として生きていく道を選ぶ。

 

 監督は新進気鋭の女性監督レベッカ・ズロトヴスキ

 

 何を言いたいのか、と考えると迷い道に入ってしまうので、たぶんこの映画はナタリー・ポートマンがひたすら美しく、例によって雑誌『ELLE』『VOGUE』を読んだ気になれば、いいということなのでしょう。

 

 それほど、よくわからない映画だったのです。

 

 とにかく、華やかで、1930年代という舞台がどこかフェリーニ的な夢幻の映像に通じるものがあり、不思議に心地よいのですが、なんというかやっぱり、人物が何を考えているのかわからないところがあって、見ようという気持ちをはぐらかされてしまうようなコケティッシュな女性のような映画です(っていうか監督の意識が)

 でも、この映画をみて私はナタリー・ポートマンはこの映画にぴったりだな、と思いました。

 

 ナタリーって美人過ぎるというか、理知的な部分が佇まいに出すぎていて、私は内心かわいげなのない女だな、と思っていたのです。

 彼女の顔がどうも好きではなくて、出演作自体をあまり見ていないのですが、『ブーリン家』の姉妹でも嫌な役をやっていたし、どうも頭良すぎるやな女、みたいな印象が強すぎたのですが、この作品ではその理知的で野心家というローラ役がナタリーの雰囲気と合致しており、かつストーリーよりも雰囲気、雑誌的美しさが彼女の『美貌』にぴったりで、好きになっちゃいました。

 言葉悪く言えば、レベッカ監督はナタリー・ポートマンの使い道を大発見したというか。

 私の中で女優としてみると、嫌な女にしか見えないナタリーを野心的な女優として撮ったレベッカ監督はすごくグッジョブな仕事をしたのではないかと思いました。

 もっと言っちゃうと、ナタリーは喋らず、ショットだけでいいのかもなあ。(おい)

 

 そしてラストシーン、どんな逆境も跳ね返すぞ、という美しく強い笑顔をみせたナタリーは、やっぱりフェリーニの『カビリアの夜』のラストシーンと重なるのでした。

 

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フェリーニ監督の嫁笑~カビリアの夜

フェリーニ見て、『わかる』とは言わないのだから、きっとレベッカ監督の作品もそうやって見るものかもしれません。。たぶん。。