7月8日(土)感謝の心、子知らず(おべんとうに入っていた手紙)5/5

承前5/1

承前5/4

 

 天啓だ。

 私は思った。

 きっと神様が、「おまえみたいなバカはいくら考えてもラチがあかんから、

 ここはエンタメ風にお話し会を開いてやろう。

 しかも、ライブだ。現実の肌触りを持った人間がお前の前で話をすれば、いくらばバカなお前でも少しは学ぶところがあるだろう」

 

 神よ。

 私は、内心合掌した。

 

 

 その日、結局30分ほどIさんと話をして、泣きはらした目を冷やすために10分ほどトイレですごし、仕事に戻った。終業五分前である。

 

 Iさんの話には、ほんとうに泣いた。

 仕事中に仕事とは関係のないことで、泣いた。

 Iさんの家族のすばらしさ、ご主人の挫折との不器用な終わらせ方、そして私自身の家族に対する反省、私がいかに幸福か、そのことに気づけないな未熟さ。

 そして、神様、やっぱり私のこと好きなんじゃん、ということ。

 

 そういうわけで、わだかまりをすべて涙という体液にして水に流し、家にもどって母に言った。

「手紙のせいで、おべんとう一口も食べられなかった。ほんとうに、いいダイエットだったよ」

 母は文句をぶつぶつ言って、私は夕食をたらふく食べた。

 全然だめなような、でも、これからはもっとうまくやっていけるような気がした。