7月4日(日)6月にみた映画レビュー③(モーガン プロトタイプL9)

モーガン プロトタイプL-9(16)英米制作

 

 ★★☆☆☆(2点/5点中)

 

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 遺伝子エンジニアリングによって人里離れた研究施設で生まれたモーガン

 彼女はわずか5年で心身ともに成人したが、外出禁止のストレスから施設の博士に怪我を負わせてしまう。

 事故を受けて、研究施設を統括する会社より危機コンサルタントのリー・ウェザーズが派遣されるが、リーはすぐにモーガンの怒りを抱えると歯止めが利かなくなる欠陥に気づく。そんなモーガンを施設の博士たちはかばい続けるが、やがて怒りを爆発させたモーガンは彼らを次々に殺害し、脱走。リーは彼女を追いつめ、研究成果を葬るかのように、モーガンと職員を殺害する。

 会社はリーの報告により試作品であったモーガンの開発を中止し、プロトタイプ事業を軌道に乗せる結論を下す。

 試作品のモーガンを葬ったリーこそモーガン・プトロタイプだったのである。

 

 一言で言うと、後輩を葬る先輩っていう話でしょうか。

 最初、この物語を見ていて、モーガンの立ち位置がわからなかったんですよ。

 僻地の研究施設側は一様に彼女を家族扱いしてるんですけど、

 モーガンは自分の母親役ともいえる博士の目を何度も刺して大けがさせています。

 しかもこれが冒頭シーンなんで、あきらかに「こいつ改心せんな」と思うわけです。

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(改心しない、モーガン:アニャ・テイラー。整いすぎて、うらやましい。唇むらさきすぎだろ)

 

 で、そこに登場する査察官であるリー・ウェザーズ。「あきらかに、証拠つかんで研究を永久停止させるぞ」的な意識満々なんですね。

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(査察官もとい、ターミネーター:リー・ウェザーズ役ケイト・マーラ

 

 で、ラストにならないと明かされないのですが、この会社はどうやらBOW(バイオハザードでいう生物兵器)を作っていたらしく、

 そもそもモーガンの使用目的は戦闘・破壊であり、

 精神に協調とか忍耐とかは組み込まれていないのか、

 組み込んだつもりで失敗だったのか、とにかく怒りのコントロールが効かず、

 バトル能力だけは優れているので、手に負えなくなってしまいます。

 そこで、(これもラストで明らかになりますが)査察役という触れ込みで訪れた危機コンサルという名の掃除屋リー女史。

 彼女もまたモーガンのプロトタイプのようで、先輩が後輩をヤルという展開になります。

 

 実際、この映画を見て、BOWを開発する企業って何を狙っているのかなってところですね。

 どちらもモーガンもプロトタイプのリーもそれぞれに人間らしいんですよ。

 モーガンは自由を制限されて、ぶち切れてしまう人間っぽいし、

 リーはひたすら組織の言うことを聞いて人間さえも手にかける社畜殺人兵器だし、

 どちらも人間が周囲と力を合わせて生きていくという本来もつべき他者への共感がまったくないんですね。

 でも、身体能力が高くて周囲を制圧できる能力があれば、どうしたって周囲を圧迫すると思うんです。

 人間が協調するのは、個体が弱いからだと思うんですよ。

 なので、身体能力だけがやたらに高くて、心が壊れていると、早晩手に負えなくなるんで、だからロボット三原則とかインストするんじゃないのかなとか今更思ったり。

 そもそも生物兵器を作るのなら、人間型にする必要はあるんでしょうか。

 スパイ的な動きなら人間で十分だと思うし、あまりに共感性のたかいBOWを作るのなら、それって人間と同じになってしまって、いちいち任務遂行するたびに悩みそうだし。

 で、忠実に命令を遂行して、目の前の人間も後輩も殺害することにためらわないプロトタイプが生き残るってラストになるんですけど、これって結論として寂しくないですかね。