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3月19日(日)船好きは水辺好き

【旅 行】 コラム 水辺

 

 二十代半ばになって司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んだときに、司馬は竜馬という男を船好きだと描写していた。

 坂本竜馬海援隊という日本ではじめて海軍のはしりを作った男だが、これを読んだとき、船好きってどういうことだよ、と全く意味がわからなかった。

 意味がわからないと言えば、乗り物フェチに関して私は船に限らず、車も電車も自転車もわからない。

 わからないのだが、実はいつのまにか、私は竜馬のように船好きになっていた。

 

f:id:hagananae:20170319093430j:plain←こちらは長崎のりょーまたん像

f:id:hagananae:20170319093450j:plainりょうまたんのつくった亀山社長跡

f:id:hagananae:20170319093458j:plain←りょーまたんのブーツ

 

 とにかく、どこに言っても船があれば、乗りたがる。

 しかも自分がいつから船好きになったのかわからない。

 ヴェネチアではもちろん、ゴンドラにのり、

 日本のヴェネチアと呼ばれる福岡県の柳川でも船にのり、

f:id:hagananae:20170319093511j:plainこちらは、福岡圏・柳川の風景

f:id:hagananae:20170319093518j:plain←美しすぎる!!

f:id:hagananae:20170319093522j:plain滞在したい

 滋賀県近江八幡では一人で船にのり、

 西表島ではマングローブの間をカヌーで走り、

 佐渡島ではシーカヤックで海を渡り、とにかく船に乗るが好きだ。

 一度など、湘南の漁師にナンパされて、沖合まで乗せてもらってエキサイティングしたこともある。

 まったく、竜馬のことを馬鹿にしている場合ではない。

 実は地中海クルーズと、ナイル川クルーズ、中国の桂林の船下り、アマゾンのジャングルクルーズなども死ぬ前になんとかしたいと思っている。とにかく、水辺を船で移動するのがすきだ。

 それは、私がいわゆる田園で育ち、水辺といえば、用水路や小川ぐらいしか見たことがなかったからかもしれない。

 だからゆったりながれる川に身を任せたいという思いがいつのまにか生まれてきたのかもしれない。

 同じくらい船が停泊している水郷の町も好きだ。

 もう一度、訪れたい町はヴェネチアと柳川であるし、時代小説を読んでいると江戸の木場あたりが、水郷だったり、大阪が水郷の町だったと知れば、タイムスリップもしたくなる。

 そんな水郷の町にあこがれる私だが、一年にほんの数日だけ、家の周りが水で囲まれる瞬間がある。

 田植え前、家の周りの田圃に水が入ったときだ。

 周囲がまるで湖になったかのように、きらきらと光を反射してきらめき、夜は街灯を反射して、まるで鏡の世界のようになる。

 水辺は、流れていくという淀みとは別の動きがあるから、好きなのかもしれない。

 同時に、風景を反射して、世界を広く見せるから好きなのかもしれない。

 船に身をまかせ、川の流れに手をやってゆったりと風景を眺めていると、とても贅沢で満ち足りた気分になる。

 そういえば、最近飼い始めた猫の名前もスペイン語で川を意味するリオなのだった。

 大海とやがて一つになる川には、なにか神秘的なものを感じる。

 その流れに乗る船はまさに極楽に通じる遊びだ。