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3月17日(金)取り立てのタブー(2):行政の給食費・学校教材費の取り立てについて

  

 前の回はこちら → 取り立てのタブー(1)

 

 取り立てのフローは、基本的に納付日から○○日以内に納付がない場合は、

督促状を出す。

 督促状発布日から○○以内に納付がなければ、今度は催告、財産没収という流れになる。

 通常は督促を二度繰り返すことで、たいていは完納まではもちろんいかないが、

納付計画をたてたり、分納したりと取り立てへの一歩が進むことがほとんどだ。

 

 この払わないものを払ってもらう方法ではなく、

あげるものから徴収するという方法がある。

 行政が支給している児童手当や就学援助費などの支給分を未納費用に充当するという方法だ。

 もちろん保護者の同意がなければできないがこの同意ひとつとっても、

給食費と学校教材費では違っている。

 私の所属する市町村のように給食費教育委員会で一括徴収している場合は、必ず保護者の同意書が必要だ。

 しかし、学校が独自に徴収している教材費の場合は保護者に「徴収する」の結果ありきの通知のみで、同意を得る必要はなく、就学援助費から未納額をばんばん徴収することができる。

 しかし、である。

 そうやって徴収される保護者のほとんどが生活に困っている世帯なのだ。

 だからこそ納付の猶予は、必要だと思うのだ。

 たしかに、未納がたまるのはよくないことだが、生活苦の世帯、それも子供がいる世帯に対しては、徴収はけして機械的にやってはいけない。

 なぜなら、お金のないという罪が保護者にあったとしても、その罰を受けるのは子供だからだ。 

 費用や税金の取り立てを機械的にやると、かならず問題が発生する。

 とくに行政が取り立てをするとき、それはほとんど経済的弱者から少しでもお金を取り立てるということにほかならない。

 

 公営住宅の家賃しかり、給食費しかり、学用品費しかりだ。

 

 行政の目的の一つは、所得の再配分であり、セーフティネットだ。

 ただただ、百%の完納を目指すこととは違う。

 いかに困っている人を支えるか、それがそもそも行政の役割なのだ、

ということを第一に考えて、取り立てもしなければならない。

 

 それには未納者と根気よくつきあい、時間とエネルギーをさくという作業が必要になる。

 相手がどういう状態かに応じて、取り立てをする。

 だとすれば、これからつくる取り立てのフローはフローではなく、

相手とどうむきあうかのマニュアルになるのではないかと思う。

 

 これもまためんどうだ。

 しかし、数万の未納額を取り立てなくても、行政職員は首を切られるわけではない。

だったら、言葉は悪いが税金という自分のお金ではない部分が

未納になったとしても、

その日の生活に困る未来をになう子供たちの保護者に猶予を与えることのほうがよほど大事だと思うのだ。

 

 つまり、だからこそ給食費や学用品徴収へのしっかりとした取り立て規則がないことも納得ができるし、整備しようとするとものすごく大変だということがわかる。

 大事なのは、一人一人の未納者と向き合うことなのだ。