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3月13日(月)モテる男の二つの恋 :第5回 恋はよいもの、はかないもの

 第5回 恋はよいもの、はかないもの

 

 モテる男の二つの恋

 小説:舞台吉原御免状(劇団新感線)

 

 フィクションのモテ男は、だいたい本妻と愛人を持っている。

 そうでないとモテ男ではない、のではなく、男というもの、本質的に二人の女を好きになるようにできているのではないだろうか。

吉原御免状』は原作が隆慶一郎、劇団新感線が演劇化した吉原を舞台にした伝奇アクションだ。

 主人公は宮本武蔵の直弟子という剣豪で、やがて吉原で二人の女と出会う。一人は、仙台高尾の名で有名な雅で、情の深い美貌の花魁であり、もう一人は丹前勝山という湯女上がりの外八文字、勝山髷を吉原に流行させた小股のきれあがった義侠心のあるいい女である。

 勝山は主人公と敵対する柳生の女刺客だが、この敵対関係がまた恋を燃やす一因になる。

 そんなわけで、モテ男の主人公は、吉原でツートップと関係を持つ。

 一人は妻のように情の厚い女であり、もう一人は敵対しながらも孤独を抱え主人公のために命をちらして戦う同士のような女だ。

 この二人の女に同時に恋をされて、また恋を返し、主人公を見てるこちらとしてはは、おいどっちかにせーよ、といいたくなるが、それは私が女だからだろう。

 男が主人公の物語では古今東西問わず、二股をかけるのはモテ男の条件にさえなっているが、モテ男にかぎらず、現実の世界でも男は浮気をする。

 だいたい見ているとしっかりした奥さんを持っている男ほど、頭が弱い、どこか頼りないような女を好きになる。

 どうして、あんないい奥さんがいるのにと不思議に思うが、これは全然不思議ではない。

 男はしっかり者の女房を持つと、自分がしっかりできなくなり、誰かを守ってやりたくなる生き物なのだ。

 つまり、父性を発揮する相手が欲しくなる。

 この奥さんしっかり、愛人微妙なパターンがあまりに周囲に多く、私は男がいい女を二種類にわけていることに気がついた。

 つまり、一つは同士・仲間タイプ。もう一つは、幼児・妹・子供タイプだ。

 私は社会人として、外で戦う男の顔と、自分の前で素の顔という二つの顔をもつ男しか好きになれないし、一つの面しか持たない男など魅力がないし、戦っている男だからこそ、魅力がある。

 しかし、これはけっこうレベルが高くて、なかなかこういう男とは出会わない。

 そういうわけで、男が二人の女を好きになるというのは、わからなくもないのだが、男が描くロマンには、鼻持ちならないところがある。

 それはやはり、自分が一番でないと気がすまない私のプライドの高さに由来しているのかもしれない。

 だから、浮気をする男はやっぱりいやなのだ。

 まさに、独占欲の強い浮気されそうなタイプの女ではないか。

 私がこんな女を恋人に持つ男だったら、絶対こっそり浮気をするに違いない。