3月5日(日)闇金ウシジマくんに学べ、給食費徴収!

 

 

 幼なじみの男友達が一年前に「闇金ウシジマくん、まじでおもしれーから読んでみ」と言っていた。軽くスルーして放置していたアドバイスだったが、やっとドラマを見ることになった。

 深夜帯で放映していたこのドラマはマンガが原作で、今もって人気らしく、ブックオフで買いたたこうとしても15巻セット5400円というどこが出血大サービスなのかわからない値段がついている。

 シーズン1の9話だけ見たが、これはおもしろかった。丑島君はカウカウファイナンスという闇金の経営者で、トゴ(十日で5割)ヒサン(一日3割)という一見、暴利をむさぼる金融業者に見える。しかしながら、闇金に来るような客にまともな人間はおらず、クズばかりなのだ。ギャンブル依存症、キャバクラ・ホストクラブ狂い、買い物依存症などなど、まさに選手層が厚く憂鬱になるのだが、丑島くんは命がけで彼らから完済をひきだすというのがストーリーの軸だ。

 まあ、なんていうか私も仕事で徴収をやったことがあるが、もちろん丑島くんみたいに恐喝したり、生命保険に入らせたり、風俗に強制斡旋するわけではなかった。とはいえ実際私が担当していた税金は地方税という完全に逃げきれないものなので、その取り立てはすさまじかった。税務課の倉庫にはテレビや桐のタンスがおいてあることもあったし、ときおり家と土地ごととりあげることもざらだった。もっと言えば、親子げんかしている中にはいっていき、「どっちでもいいから払ってよ」と言った日もあった。

 ではなぜこんなことが可能になるかというと、地方税地方税法という法律によって完璧に債権を取り立てるフローができあがっているからだ。督促状を出す期日から、催告状、財産没収までかなり綿密に役所がしていいことが決定されている。それ故、とりやすく、やろうと思えばやれるのである。

 これに対して、未納が許されてしまうのが「給食費」だ。給食費は税金ではなく、「費用」にあたり、もちろん納めることは前提なのだが、逃げやすい筆頭だ。なぜなら、徴収のフローが法律できまっておらず、行政単位で条例を整備しなければ、取り立てのきつい作業が担当者のやり方次第になってしまうのだ。しかも、未納をする保護者の名前を覚えた一年ほどで、さっさと異動になる。

 うちの異動の早さだけの問題ではなく、法整備がないという構造的な欠陥があり、放置されやすい。

 よくテレビで不祥事を起こす役人を、「自分の金じゃねえからあんなことができるんだ」と言うが、まさにこの給食費放置も自分のお金ではなく市民のみなさまからの税金だから、放置されやすい。つまり、担当者が(いま、私)見て見ぬふりをできちゃうのだ。

 しかし、である。あくまでもこれは税金なのだ。

 人間、なかなか自分の命が危険さらされないかぎり、他人の胸ぐらをつかんで「てめえっ、子供に給食ただ食いさせてんじゃねえぞ!」とは言えないものだ。しかし、公務員としてやらなくてはならないことは、丑島君の命がけのやりとりを見習って、やる気を奮い立たせ、(つまり残業をして)給食費の徴収にかかる条例をつくりあげることだ。さて、これができるのか、もし、来年も今の仕事場にいるなら、やりとげよう。今年度は無理。まじ、時間がないから(これ、書いてる暇があったらそっちやれ)というわけで、給食費は完納しましょう。