3月5日(土)おいしいものが減っている

 

 

 風邪のせいで食欲が減退している。それなのに、頭のどこかで大好物のスパゲティを食べたがっている自分がいる。食べる自分を想像しては、吐き気を催し、また想像してはの繰り返し。

 しかし、ついに風邪がなおりかけ、食べてみたくなるターンがやってきた。

 それなのに、おいしいお店に行く気力は出ず、空いている激安なスパゲティ屋にふらふらと吸い寄せられてしまった。肉もチーズも受け付けない期間のため、シンプルな一皿550円のトマトとニンニクソースのパスタをオーダー。「絶対、まずい。必ずまずい」と覚悟をしつつ原稿を書きながら待つこと10分。あまりの速さに「速くないっすか!」とどうでもいいほめ方をしてしまった。恥ずかしい私。

そして、お味のほうは、期待通り。

まず!

ソースは塩辛い。いい加減な缶詰使いやがって。

麺は手打ちでもちもちだけど、そこは乾麺でいいからむしろソースなんとかしろ。

 といいながら、半分しか食べられないね。と、タカをくくっていたわりには完食。

口ほどにもない私、万歳。おそるべし、空腹。恐るべし、小麦粉アディクション。 とはいえ、心が満たされない日々なのだった。

本当に最近は食べたいものがない。グルメな先輩と行くお店も見つからない。食欲自体が減退している季節だが、なんだか食が楽しめなくなっている。まず、おいしいものがない。おいしいものと言うと、海辺でとれた新鮮な魚とか、取れたての野菜や、一個100円ぐらいする卵とか、高級新鮮ラインか、自宅飯の二択しかない。それとて、めったにおいしいと感じることはない。最近はますます体によいもの、鮮度、無添加、手作りがおいしい気がして、結果、栄養のあるものがおいしいとなる。そうすると、みそとか醤油とか、精進料理とまではいかないけれど、粗食が一番おいしいとなってくる。だって、健康的なうえにもたれないし、体を温めるからね。でも、これではまるでロハスを超えて、仙人みたいな食事ではないか。ますます神経が研ぎ澄まされてしまうよ。

 まったく、こうなったのも、世の中には便利で手軽だが添加物たっぷりのえさまがいの食べ物か、無添加無農薬を謳うロハス的高価な食べものしかないことになる。

 もともと食は手間暇をかけるのが、当たり前だという認識に戻れば、家での食事が一番という考え方も当然なのかもしれないが、外食が楽しかった記憶がまだ尾を引いているのかもしれない。