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3月4日(土)食い止めろ! 猫のモンプチ化

コラム

 

 

 三匹飼っているオス猫どもが、ついにモンプチしか食べなくなってしまった。

 モンプチは一時期白いペルシャ猫がCMを張っていた猫餌の高級ラインだ。猫をバカかわいがりしている裕福な飼い主ならいざしらず、どか食いする雑種オス猫を3匹を飼っている並のリーマンが選ぶ品物ではない。

 我が家のオス猫どもはもはや600グラム450円、5日で間食するモンプチラインのカリカリしか食べなくなってしまったのだ。

 そう、我が家の猫はモンプチ化してしまったのだ。原因は私にある。

 それはほんの出来心からはじまった。猫たちの誕生日に、たまには贅沢させてあげようと思いモンプチのカリカリをお買い上げした。オス猫たちの食いつきようはすさまじかった。

 顔を餌皿に埋めがつがつたいらげ、時々顔を飼い主の私の顔をちらとみる。

「おい、こんなうまいもんがあるのになんで黙っていた」

 オス猫は二年を過ぎたあたりから、急に顔が横に広がり、どんな猫もたいていは勝慎太郎か、朝青龍のごとき悪相になる。そいつらににらまれて、私は縮み上がった。

 そして、そんな飼い主の心を読んだかのように奴らはその日を境に、モンプチしか食べなくなったのだ。他の餌をあげても、モンプチの袋に爪をたてて「おい、こっちにせーよ」とにらむ。それでも開封に踏み切らなない場合は、エルム街の悪夢のフレディごときするどい鉤爪でモンプチの袋を切り裂き、そこら中に餌をまき散らしながらありつく始末。

 いったいどこでこんなわがままなやくざ猫になってしまったのだ。

 胸に手と当てると、それはそもそも私の罪悪感に根ざしていることに気がつく。

 仕事が忙しい。遊びに忙しい。猫にかまっていられない。でもかまっていられないから、せめてもので解決しよう。

 ものはお金を出せばいい。

 その手軽さを心の底でわかっていながら、私はモンプチに手を出してしまったのだ。

 猫たちもそれをわかっている。

「おねえの奴、最近遊んでくれないな」

 そういう寂しい目をしている。一方で、かまってあげなくても彼らは十分大人だと、私は自分に言い聞かせる。でも、本当にそうだったのだろうか。

 猫も人間と一緒だ。本当は労力を払い、同じ時間を過ごさなければきっと満たされないものが残る。それをお金で解決すると、溝は広がるばかりなのだ。

 ここ二日、長男猫と次男猫が帰ってこない。最近買い始めた三男猫に愛情が移っているのと思ったのかもしれない。

 そうではない。これからはちゃんとかまってあげるから、早く飼ってきて欲しい。モンプチだってたくさん残っているのだから