10月17日(日)坂の上に行くまでが楽しい(四国旅レビュー)

10月16日(日)身体が脳に追いつかない日々

 9月末から10月にかけて、両親と四国旅行に行ってきました。車で。
 ほんとうに、疲れます。
 車で旅行するのは、私たち家族の定番で、もともとは関東の片隅に住む私が、瀬戸内海の絶景をみたい、そして距離感を味わいたい、というのが旅行の動機でした。
 はじめて、瀬戸内海に行ったときは、意図的に瀬戸内海をぐるり、と一周するものでして、それはもうウキウキでした。


 当時は。


 あのときは、見るものすべてが新しかったのです。テーマもしっかりしていましたし。
 今回は、母の退職祝いと行ったことのない日本の奥地を制覇する目的でした。結果として、栃木から四国の山奥まで行った甲斐はありました。
 とはいえ、今回の旅行を通して、私の旅行に対する目的は、はっきりと気分転換だ、ということがわかりました。
 以前は、まさに好奇心と物見遊山でした。そこにあるものを見に行くという。
 ですが、日本全国、それほど異国と思われる部分はなく、海外旅行と比較するとなにはなくとも、日本語と現金さえあれば、山で遭難しないかぎり、なんとかなるわけです。
 そう思うと、劇薬のような刺激があるわけでもなく、そこになにがあるのかと見に行くというよりは、日常を離れて、日常を俯瞰するという、そういう地味な目的にシフトしてきた感があります。

 8年間、毎年旅行をした結果、はじき出した感覚です。

 そういうわけで、今回の旅を通してももっぱら、旅のあとの自分の変化や新しい決断ができたことが収穫だったのかなと思っています。
 つまり、旅が終わってから、自分の本当の旅がはじまったというか。
まじで、言っていてはずかしいですが、現実とはそういうものですね。
 とはいえ、旅の報告をなにもしないというのもなんなので、少しだけレビューを。
 タイトルは、坂の上に行くまでが楽しい、、

↓ 尾道からのぞむしまなみ

f:id:hagananae:20161016091932j:plain

 

 

 今回は広島県尾道経由でしまなみ海道を使って瀬戸内海を渡りました。愛媛県松山で一泊して、翌日は、内子町、四国カルストを経由して、高知県高知市に一泊、翌日は高知市観光をして、徳島県祖谷(いや)峡で一泊、翌日瀬戸大橋経由で帰省をしました。
 充実しました。
 もともと、インドア派なので4日も家をあけるとホームシックというか、旅に飽きてきて大変でした。
 今回、そうですね、ぐっと来たのは、高知市の郊外にあったイゾウの墓にいけたことでしょうか笑

↓幕末の志士 岡田以蔵のお墓。こういう政治的に利用される暗殺者大好きです

f:id:hagananae:20161016092127j:plain


 なんだかんだと結果からみると、司馬遼太郎街道を行く、みたいな感じになりました。
 松山の「坂の上の雲」、高知の「龍馬が行く」、香川の「空海の風景」という感じで。

 書いていて、うわー、ひく、って自分でも思いますね。

 ま、結果論ですけど。。

 さて、私にとって松山は実は今回3回目です。しかし、2回も来ていて、なんと松山市が満を持してアピールする「坂の上の雲」で有名な「坂の上のミュージアム」を前回2回とも無視をしてしまい、今回やっと行くことになりました。
 結果からいうと、ミュージアムに行くより、小説を全巻読破したほうが得るものがあるでしょう。。笑
 まあ記念館というものは、はそれほど感動を呼び起こさないものですが例外的に、東大阪にある司馬遼太郎記念館は感銘をうけました。あそこには司馬の蔵書が再現されているのですが、まあなんというかいろいろ役立ちました。
 作家の蔵書、それも司馬レベルの博覧強記の蔵書は目の前で見るだけで衝撃がありますね。

 その意味で、一番私の情熱を刺激してくれた記念館でしたが、今回のミュージアムは、なんというかきれいでしたが、伝わってくる感じはそれほど。。
 ただ、司馬が連載していた原稿のレプリカが巨大な壁一面に張られていて、まるで護符のように立ちはだかっていた展示スペースがありました。もう、原稿を書かなくてはという脅迫心にガソリンをそそがれたような、恐ろしいスペースで、インパクト大でしたね。。

 まあ、そうは言ってもですね、さらっとでもこういうミュージアムに足をはこぶと、物語でも語られていた明治の日本人の息吹が感じられます。彼らの残してくれた日本というものを大事に発展させていこうという、気持ちになりました。
そしてやっぱり、司馬すごいよ!まじで!!とか思いました。内心。。。
 むしろ、ミュージアムより心神的にキタのは、松山城でした。

 三度目にして、ようやっとのぼったわけですが、松山城ってめっちゃ高いところにあんねんけど!! と、驚きました。いつも横目で見ていたのは、城下の公園でしたなくて、なんとなくミュージアムに行こうと車内からちらちら高知市内をみていましたら、けっこう高い山の上に天守が。
 そのとき、15時半でした。
 もちろん、例によって下調べは完璧なので、松山城に行くにはロープウェーを使うことはわかっていましたが、よりによって思ったより高いところにある。
 というか、心神的に昨夜7時ごろ栃木県を出て、12時間かけて広島にたどりつき、さらにそこから瀬戸内海をわたって愛媛にたどり着いた身としては、あの山はちょっと天空的な感じがしました。
 ま、いろいろ悲劇的条件が重なっていたわけですよ。
 しかし天空の城をみたあと、一瞬、目が点になり、、すぐさま一気に坂の上、のぼったる!!という気持ちになりましたね。。
 見るまでは、松山城?  べつに、のぼらんでもよかと。
 とか、思ってたくせにね。。
 まあ、私の性分として、
 そこに微妙に高いものがあると、上りたくなるんですね。
 それは作家をめざすなと言われると、微妙に目指したくる気持ちが起こるように。
 そのクレームは長せ、と言われると、対応を微妙にしたくくなるのにも似て。
 良い人だよ、おすすめ、と言われると、無視したくなるというか。
 というわけで、両親に「のぼるぜ!」と宣言して、そこからが大変でした。
 言った手前、先頭は私ですね。
 ま、そのときは気持ちだけでしたよ。
 なんといってもお金さえ払えば、文明の利器で坂なんて楽勝ですから、とか思ってましたね。。そのときは。
 しかし、そうは問屋がおろさなかったわけです。。

f:id:hagananae:20161016092400j:plain

 松山城ロープウェー入り口に行くと、係の方に
「ロープウェーでのんびり行かれると、到着したときに天守の開館時間に間に合いませんので、リフトで行ってくださいんね。リフトから天守まで距離がありますから、猛烈ダッシュしてくださいね!間に合うかもしれませんので」
 ここで目が点になりました。
 ダッシュせねば、間に合わないだと?
 リフトぼのって、門前払いだと?
 ダッシュ? いや、猛ダッシュって言わはった? この係員さん。。
 ・・・・・・めちゃ、疲れそうやんけ。
 つうか、すでにめっちゃ疲れてんねんけど。。。
 とか脳内でグチがはじまりましたが、脳内とは別に体はダッシュしてましたね。。もう、はじめから行く気でしたから。

f:id:hagananae:20161016092501j:plain


 
 そこからが、本気モードでしたね。 
 まず、リフトを降りると、文字通りダッシュで、ゆっくり歩いているお子さま連れのご家族と優雅なお散歩風の老夫婦を牛蒡抜きして、広い敷地をかけぬけ、松山城天守のチケット売場に4時27分に到着しました。その時点でHP残1割ぐらいでしたけど、そこからま石段をとばして、ほんとうの天守閣入り口までダッシュしました。というか、ダッシュというか、ダッシュ風。
 すでにダッシュの体力なかったですもん。
 一歩踏み出すごとに息切れマックス。
 いやな思い出もちらほら、頭をよぎりました。
 なんか毎週石段登っているなあ、とか、人生ほんとうにやになりましたね。
 数百段の苔むした石段がフラッシュバックなんかしたりして。
 ちなみに、この苔むした石段のソース元は先週に行った山形県羽黒山です。
 頂上まで2400段という山にほんの好奇心から手をだしてしまい、誰も助けてくれない山中の1300段目の石段の前の茶屋で戦闘不能になった経緯があります。結局のぼりましたが、HP残がやばすぎて頂上からタクシーで下山笑というバッドエンディング。
 そのつらさを思い出しました。
 息切れの中で足を石段にかけるたびに当時の武士たちのことを思いました。
 同情と尊敬がだいたい2、8ぐらいの割合ですね。
 めちゃくちゃ、大変ですよ。この石段、朝夕のぼるの。
 いくらお勤めといっても、めちゃめちゃ大変ですよ。
 当時はロープウェーないし、考えるだに恐ろしい。
 忘れ物も遅刻もできないやん。
 私なんて、帰宅時に職場にしょっちゅうスマホを忘れて、駐車場から事務所に戻ってくるんですけどね、そういうことできそうもないですよ。
 忘れ物とりにいくとか、半端ないですから。
 もう、これから城に上る同僚をみつけて、「上までいったら、そこから投げてくれてかまわんわ、壊れたらそれまでやし!」みたいな投げやりな気持ちにもなります。
 そういうわけで、体にむち打って上るんですけど、城ってよくできてますよね。
 私、歴史の中では戦国時代はすっぽり抜け落ちている上に、今後もしばらく勉強しない気配がある故に、戦国の城の構造については無知なのですが、とにかくぐるぐると回転するように石段がつづき、視界が不明瞭で、すぐに門があって、閉じこめられて、弓とか上からきたら致命傷やね、ぐらいは体感できるわけです。
 で、そういう急な石段、それもけっこうつづくよ、どこまでも的な嫌がらせの石段をぐるぐるして、やっと天守の入り口です。
 天守の入り口で靴をぬいだ時点で、HP残3パーぐらいでしたね。
 なんか、もうね。上らんでもええかなー的なね。。

 

f:id:hagananae:20161016092552j:plain

 ↑↓松山城内 ↓の緑は私。すでに瀕死。。

f:id:hagananae:20161016092629j:plain

そういう体験をしました。笑
 そして、その後は松山の道後温泉の駐車場がまた坂の上っていうね。
 そういうわけで、なんかずっと上っている四国一日目でしたね。
 尾道も坂だし。
 まあ、登りながら、登り道ほど楽しいものもないかな、と思ったりですね。無理矢理自分を鼓舞した一日でした。
 すばらしかったのは、道後温泉のまえにある柑橘系シャーベット屋さん。愛媛でしか食べられないだろうな、というラインナップで、すべてが湯上がりにはおいしかったです。
 松山は三度目でしたが、正岡子規の記念館は見られなかったので、次に行くときにはゆっくり散策しながら、満喫したいな、と思いました。
 そんなわけで、四国の一日目は以上です。
 2日目、3日間は機会があったら、ということで。
 司馬が「坂の上の雲」を書いた経緯については、例によって調べてないのですが、明治の上り坂という象徴的な時代を「坂の上の雲」を目指した松山出身の若者に託した気持ちはなんとなくわかった気がします。
 山の上に城があると、なんか目指したくなる感じ、ちょっとわかりますもんね。
 というわけで、ここらへんで。

 

おまけ:坂の上のミュージアムに展示されている司馬の原稿

f:id:hagananae:20161016092737j:plain

f:id:hagananae:20161016092835j:plain

f:id:hagananae:20161016092917j:plain

↑ 圧迫感。。

f:id:hagananae:20161016093040j:plain

松山でいただいた鯛めし(鯛をたまごとだし醤油でまぜて、ごはんにかける)

鮮度高くておいしかった!!

でも、鯛は焼いたほうがすき(←おい)

f:id:hagananae:20161016093230j:plain