読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

③レビュー:マイノリティ・レポート(映画)3月2日(水)

 

 第3回目は『マイノリティ・レポート』です。
 さらっと見ると、面白いのですが、よくよく噛んでみると、突っ込みどころ満載の物語です。
 いくつかあるのですが、やはり犯罪予知システムの中身がほとんど客観性のない予知をする人間に依存しているところですね。
 
 この世界では未来殺人罪という罪が成立していて、逮捕されて、習慣されてしまうのですが、このシステムだと刑法や刑事訴訟法とか
 ない世界なのかなと思います。裁判もないんだろうね。
 と、ここを考えただけで、うそっぽいのですけど、そこは飛ばしますか。
 
 かわってドラマ上のつっこみを一ついうと、一番はハイネマン博士の立ち位置でしょうか。

 このシステムのおかげで犯罪ゼロになったのだから、システムに功績があるにもかかわらずその欠陥というか秘密を
 ジョンにあっさり明かしてしまうなんて、本来システム考案者で、また司法の体制側としてスタンスがちぐはぐです。
 普通ならジョンにマイノリティ・レポートのことは絶対明かさないと思うんです。
 しかし、ハイネマンの立場とか人物像をまったく無視して、物語上、ハイネマンの立ち位置を考えると彼女のことが見えてきます。
 ハイネマンはジョンの敵ではなくて、むしろ『師匠・導き手』にあたっているのです。
 
 ジョンは彼女と会うことで、システムの欠陥と次に何をすればいいのかわかります。
 つまり、ジョンにヒントを与え、物語を加速させる機能がハイネマンの役割なのですね。
 で、それはいいのですが、そうするとハイネマンという女性が人物としてたちあがってこないのですね。
 さっきも言いましたが、普通なら彼女は体制側でぜったいジョンに秘密を教えるはずがないですから。
 そういうつっこみを消すために、ハイネマンは見た目は隠遁者で、体制から3歩くらい引いて現役引退の風情を漂わせ(植物をいじるなんて感じで)
 さらにジョンにキスをすることで、好きだから教える的な感じでかろうじて人物像と動機をつくりあげている気がします。
 と、つっこんでしまいました、この映画自体が10年以上前の物語であり原作は70年前です。(言っていてこわ!)
 そして、同じ犯罪を未然に防ぐ実はかなり大きな欠陥のあるシステムといえば、①であげた
 サイコパスのシビュラシステムが同じですが、今となってはまだこちらのほうが説得力がありますね。
 物語は進化しているなあ、とのほほんとしたところで。
 私もがんばって勉強しなきゃと思うのでした。
 では今夜はこれでw

 シノプシス:未来の無実を証明するために、万能の未来予知システムの秘密を暴く刑事の物語


ログライン:
中年の男がはさみを持ち、驚愕して彼を見上げる中年の男女の前でめがねをかける。
男ははさみをふりあげ、女性を切りつける。女性の悲鳴。
そこで映像が瞳の中に消えていく。
それはプリコグと呼ばれる未来予知者が見た未来の映像だった。

犯罪予防局のジョン・アンダートンはプリコグの映像から加害者と被害者をつきとめ、犯罪を未然に予防する刑事だった。
映像から加害者を突き止めると、「未来における殺人罪」で逮捕を行うのだった。

2045年、アメリカは6年前に誕生した犯罪予防システムのおかげで犯罪ゼロパーセントを達成した。
試用期間を経て、ついに国民投票により全国規模での導入がはじまろうとする直前、
ライバルの司法省はシステムの欠陥を見つけるために、査察に入ることになった。

一方、予防局チーフのジョンは6年前のシステム導入前に息子を亡くしており、
妻とも離婚をし、薬におぼれる裏の顔を持っていた。

翌日、査察の途中でジョンはアガサに突然、過去の殺人現場の映像を見せられる。
ジョンは事件のデータベースからその事件の被害者がアン・ライブリーであり、事件が予防局開設当時のことだとわかる。
しかし、3名のプリコグの映像のうち、アガサのものだけ削除されていた。
さらに被害者のアンも行方不明であり、加害者も網膜を移植されており誰なのか特定できなかった。

局長のラマーにアガサの一件を報告するが、答えがでず、ラマーは司法省の査察や、
ジョンの精神状態を心配する。
査察を乗り越えれば、ジョンのように息子を事件によって失う人々もなくせるはず。
自分は年を取ったが、被害者であるジョンがあげた功績によって、かならずシステムは全国的に導入されるだろう、とジョンを励ますラマ―。

翌日、殺人事件が予告されるがその加害者はジョン自身だった。
被害者はリオ・クロウという人物。
自分が殺人を犯すはずがない。
司法省のウイットワーにはめられたと判断したジョンは、予防局から逃走する。
追跡をくぐりぬけ、システムを故意に操作するすることが可能か、予知は間違いないのかと、
自分がこれまで何の疑問もなく行ってきたシステムの有効性をきくために開発者であるハイネマン博士に会いに行く。

ハイネマンは、システムは偶然に生まれたものだが、司法システムの完璧さを保つために
「マイノリティ・レポート」を隠蔽していたことをあっさり告白する。
マイノリティ・レポートとは3人の予知が一致することが前提のシステムだが、
ときおり2名とは違う予知をすることがあり、その少数報告のことを言う。
その場合はその予知は破棄されるというのだ。
ジョンが探す答え、自分が罪を犯さないというマイノリティ・リポートを探せばシステムの欠陥は見つかるかもしれない。
そのレポートの場所はプリコグの頭の中にしかないため、ジョンは予防局に侵入しなければならない。
ジョンは街中の監視システムである網膜スキャンをくぐり抜けるために、目を移植し、アガサを奪い、逃走する。

しかしアガサの脳からマイノリティ・リポートを取りだそうとするが、自分がリオを殺さないというリポートはもともとなかった。
かわりに、アガサが彼に見せたのはアン・ライブリーの殺害シーンだった。
そこに追っての司法省のウイットワーが現れ、再び逃げるアガサとジョン。

ジョンは最後の手がかりであるリオ・クロウに会うが、息子を殺した証拠を見つけリオを予知通り殺しそうになる。
しかし思いとどまると、逆にリオが殺してくれないと家族に金が入らないと言って自殺してしまう。
息子を殺した犯人はリオではなく、真犯人がいることがわかる。

一方入れ違いにリオの死亡現場にはいったウイットワーは事件現場が証拠過剰であること、
そしてアガサのマイノリティ・リポートから、アン・ライブリーの事件の真相に近づく。

ウイットワーは予防局長のラマーに、プリコグの予知システムの裏を書いて殺人をおかし、
のうのうと生き延びている犯人がいることをラマーに報告し、その手口まで披露する。
犯人はアンを殺すために、一度は偽装し、その偽装した犯人を予防局に逮捕させてから、
偽装した犯人と同じ手口でアンを本当に殺害する。
すると、その映像はエコーとなり、プリコグが犯行現場を何度もみているだけと判断され、無視されてしまう。
これを利用して真犯人はアンを殺害した。そしてそれが、できるのは予知システムのことをよく知り、かつ改竄できるものだけだと看破する。
するとラマーはウイットワーを殺害する。
プリコグのアガサがシステムの中枢にいない現在、犯罪は未然に防ぐことができず、
ラマーは平然と殺人をおかすことができてしまうのだった。

一方追われる身のジョンは元妻のララの家にアガサとともに身をよせるが、
ララがラマーを信じるあまり場所の特定をされ、ジョンは逮捕され投獄されてしまう。

そしてシステムが全国導入される式典の日に、ララはラマーにジョンが逮捕される寸前に
「アン・ライブリーのことをしったからはめられた」と言っていたことを思いだし、彼女のことを聞く。
ラマーはララが溺死したと言っていないのに、アンの死因を口にしたことから、
ラマーがジョンを陥れ、ウイットワーとアンを殺害した犯人だと気がつく。
ララはジョンの残した「目」で容疑者収監庫に侵入し、ジョンを解放する。
そして式典のクライマックスに会場にアガサの母親アンの殺害映像を流す。
ラマーが予知システムにはアガサの能力が不可欠だったために、母親のアンからアガサを奪うために殺害したのだった。


プリコグをだますために、ウイットワーが推理したとおり、おとりの犯人を使ったあと、自分が本物の殺人を犯したのだった。
この方法ならば、同じ殺害シーンはだぶり(エコー)として、無視される。
ラマーはとっさにジョンを殺害しようと思い立つが、
プリコグが殺人を予知してしまい、ジョンを殺せば収監されるが
、殺さなければシステムの欠陥を露呈させてしまうため、ついに自殺をする。
未来は自分で決められる。そう言った、ジョンと同じ、プリコグが予想しない未来を自分で選んだ最後だった。
ラマーの死亡後、システムは凍結され、プリコグたちは自由な生活にもどり、ジョンはララと再び幸福な生活を送ることになった。